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差し押さえの物件を買おう【謄本の読み方を知ればチラシに書いてないことがわかります】

差し押さえ物件をお得に買おう【謄本はすべてを語る】

チラシで見つけた気になる物件。

近隣相場よりも安いし、リフォームすればいい家に生まれ変わりそう!

というわけで、J不動産の営業Kさんと一緒に内覧へ。

愛想のいい売主さんの案内で、築20年越えの中古住宅をくまなくチェックし、いよいよ購入を決めるか?!

前回までのお話はこんな感じです。

ウキウキしてJ不動産へ戻り謄本を読んでみたら、この物件の安さの秘密が見えてきました。

  • 差し押さえ物件ってどうして安いの?
  • 謄本って何が書かれているの?
こんな疑問にお答えします。

差し押さえの物件をお得に買おう【謄本はすべてを語る】

差し押さえ物件をお得に買おう【謄本はすべてを語る】

内覧へ行ってみて、築年数は古いけれど『無駄に大きすぎる倉庫』さえ無ければ、10年ほど住むには十分すぎる物件だと確信しました。

大工さんだった旦那さんが建てた家だと売主さんが言っていたし、それなりにこだわって作ったんでしょうね。

なんて、営業Kさんと世間話をしながら物件資料をチェックします。

謄本を見れば物件の歴史がすべてわかる

何の変哲もない普通の一軒家。

売主さんも普通のおば様。

内覧の時の話では、旦那さんが亡くなって以来ずっと一人で暮らしていたけれど、寂しいから子供のことろに引っ越すことにしたとか。

確かにこんな広い家に一人じゃねぇと思いつつ謄本に目を通しました。

なんというか・・・曰くつき?

謄本の枚数が多い多い!

ころころ所有権(※1)が移転していて、抵当権(※2)もズラズラと。

(※1)所有権

土地や建物の所有をしている人に与えられた権利。

自由に使用したり、収益を得たり、売却できる権利。

(※2)抵当権

住宅ローンを借りるときに金融機関が住宅に抵当権を設定します。

債務者がもしもお金を返せなくなったときに、土地や建物を担保として回収できる権利。

抵当権を付けているところから優先的に弁済を受けることができます。

今回の売主さんは5番目。

しかも内覧の時にいたおばさまと、その娘さんらしき人の共有名義です。

旦那さんからの相続という形で移転登記されていました。

謄本を読み解く

謄本を読み解いていくと、どうやら一人目の土地の所有者(Aさん)から開発業者(Z土地開発)に売り渡されています。

Z土地開発が建物を建てたけれど、しばらく誰にも売却されず。

なぜか、Z土地開発の社長と思われる個人名(Z)でまたまた所有権移転。

(Z部分がちょっと変わった苗字なので社長と思われます。)

その数年後に、現所有者の旦那さんが住宅ローンを使って購入したという流れらしい。

大工の話はいったい何だったんでしょう?

謄本は物件所有者の借り入れ事情も丸わかり

旦那さんはその後、この家を担保に複数の金融機関で借入。

相続で奥さんに所有権が移った時に、いくつかの金融機関へ全額返済。

生命保険と団信かしら。

その後は奥さんと娘さん(仮)で平等に所有権を持ち合うんだけど、ここからが大変。

財務省の差し押さえが入り、市の差し押さえが入り、保証会社数社の差し押さえが入りと、まさしく踏んだり蹴ったりな状態。

謄本を見れば今までの物件の流れが一目瞭然(今回の物件の謄本ではありません)

売主さんの人生の一部を垣間見たような気分。

なんだかドッと疲れる作業ではあるけれど私は結構好きです。謄本を読むの。

謄本は物件の名刺がわり

謄本は『表題部』と『権利部』に分かれています。

先ほど載せた所有者の借り入れ状況が丸わかりなのが『権利部』です。

一方、物件自体のことを詳しく説明しているのが『表題部』です。

謄本は隠れた瑕疵も教えてくれる

種類というのは、その建物の用途を表しています。

例えば上のように建物の謄本だとしたら、建物自体の詳しい内容の『表題部』の下に、物件の流れがわかる『権利部』が書かれています。

今回の売主さんのように、所有者がコロコロ変わったり物件を担保にした借入先が多いと、枚数が2枚、3枚と増えていきます。

土地の場合は一筆(公図上の一つの所在地)ずつ謄本が存在します。

土地の謄本

地目というのは、その土地がどのように使われているかを表しています。

私道の場合も実は地番(住所のようなもの)が決まっています。

そしてこちらも一筆ずつ、謄本が存在します。

私道の謄本。地目は公衆用道路

私道というのは、物件へ通ずる道路のため、通常『共同担保(共担)』と言って土地とセットにして抵当権を設定されます。

土地とその上に立つ建物も『共同担保』とされることが一般的です。

共同担保の内容はそれぞれの謄本の最後に『共同担保目録』として記載されています。

 

差し押さえの物件をどうしても売主が売りたいワケ

差し押さえ物件をどうしても売主が売りたいワケ

関係のない話ですが、競売の場合は物件の内覧をすることができません。

『3点セット』という物件の概略書のようなものを読んで査定をします。

物件明細書、評価書、現地調査報告書の3つの資料をあわせて『3点セット』と呼びます。

このなかの現地調査報告書というのは裁判所の執行官が自分で現地へ行って、いろいろな人の話を聞いて書いているもの。

なかには『関係者の陳述』というのもあって、どうして本物件が競売にかかってしまったのか、関係者の生の声を読むことができるんです。

悪趣味だなとわかってはいるんですけど、このページを読むのが一番好きです。

3点セットをダウンロードしたらまずは陳述書です。

話が脱線してしまいましたね。

話を元に戻します。

差し押さえの入ったこの物件、このまま放っておくと競売にかかるわけです。

競売にかかってしまえば、いくらで売れようとも落札金額はすべて債権者のもとへ渡ってしまい、自分の手元には何も残りません。

けれど、もしも競売になる前にこの家を売れば、税金の滞納分をすべて支払って、債権者らにお金を払っても自分たちの引っ越し代が手に入るわけです。

販売代金に売主さんの引っ越し代金分が含まれているんですね。

以前書いた任意売却のパターンと同じです。

なので、売主としたらそりゃ必死です。

架空の大工の旦那さんを登場させてまでしても売りたいわけです。

 

差し押さえ物件以外でも安い場合がある

差し押さえ物件以外でも安い場合がある

もちろん不動産屋のチラシや販売図面には、『競売になります』とか『任意売却希望物件です』なんて書いてありません。

でも、以前の記事にも書いたように、毎日毎日同じ地域の売り物件をチェックしていると『わけあり臭』のする物件って、あるものです。

今回のように競売になりそうという理由以外にも

  • 相続した物件の相続税が支払えないから売りたい
  • 相続した土地を現金に換えて兄弟で分けたい
  • 離婚したから家を売りたい

など、何かしらの『早く売りたい理由』がある家は、相場よりも安くなることがあります。

大々的に販売活動(チラシに載せたり現地に旗を立てたり)していなくても

「実は・・・こんな物件もありますよ」

なんて、営業マンがコソコソと資料を持ってきてお値段の相談にのってくれることもあります。

いわゆる未公開物件ですね。

家が古いとか土地の形が悪いとか、物件の短所が原因で安い場合ももちろんあります。

けれど、このように売主さん側の事情によって値段が安くなる場合もあるんです。

今回の家のように、大き過ぎて日当たりを猛烈に阻害している倉庫も物件の短所ですね。

謄本を読んでみたら任意売却だということが分かったわけですけど、実はそれ以外にも大きな大きな落とし穴があることが発覚しました。

つづく





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